環境性能やエコ

ホンダのF1再参戦が持つ大きな意味

今回のホンダのF1参戦、というよりは再度の挑戦は、以前の再挑戦に比べるとそれほど注目を集めていないように感じられます。

もちろん、日本においては全体的にF1人気が以前に比べると下火になっていることが挙げられると思います。

ところが、じつは今回のF1参戦はホンダにとって社運をかけての意味を持つ参戦でもあり得るのです。

とくに、ホンダの場合は独自の戦略によって販売台数は堅調な伸びを示してきましたが、ハイブリッド戦略においては先駆けであったもののトヨタに完敗しています。

その典型的な例はインサイトとプリウスの対決、そしてその結果でしょう。

プリウスは驚異的な支持を得ている一方で、インサイトを街中でみかけるとおもわず「珍しい」と思ってしまいます。

結論からして、インサイトは次世代モデルが出ず、プリウスは今後もモデルが変更されていくことでしょう。

しかし、そんなホンダ自動車がこれからの環境や燃費を意識したモノづくりに一から向き合っていくという決意表明を感じることができるのが今回のF1再参戦です。

なぜそう言えるのでしょうか。

以前の大排気量エンジンに比べて、2014年のシーズンからはF1において使用されるエンジンはかなり小型化しています。

1.6リッターのV6エンジンに変更されており、以前の2.4リッターV8から比べると一回り小さくなっています。

さらに、搭載できる燃料の量もかなり減らされています。

つまり、F1業界が環境への配慮をしているわけではないとしても、時代の流れに調和して、いまでは小型エンジンでより効率のいい燃料消費の技術がエンジンを供給するメーカーには求められる結果になっています。

そのような観点から見ると、ホンダのブランドとしての強みはあるものの、環境性能、燃費の性能で観たときにホンダのエンジンを採用するというには大きなリスクが伴います。

しかし、ホンダサイドではF1マシンに搭載する技術を実験ととらえて、即座に市販車への採用を念頭に置いた開発を進めていくという戦略を打ち出すようです。

そこで、これまではある意味時代の流れで市場が求めている環境への配慮、低燃費という戦略では後れを取った10年を、今後の10年で取り戻す、そして一気に抜きにかかるという意思表示となっています。

たとえば、新技術として注目されているのは排気エネルギーからタービンを経由させることによって電気エネルギーに変換させるという荒業です。

このような技術がまずF1マシンにおいて成功し、やがて市販車に投入されるなら、今の構図を一気に塗り替えて、「エコと言えばホンダの新技術」という評価が認知される日がやってくるかもしれません。

もちろん新技術に関して言えば、他社もそれぞれ開発している中ですから独り勝ちはそれほど簡単なことではありません。

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